選管への届出と郵便口座開設

政治団体の設立の手続は、大きく都道府県選挙管理委員会への届出と、金融機関(ここでは郵便局とします)での団体名義口座の開設の2つとなります。

政治団体の作り方を調べようとすると、選管からの説明、金融機関からの説明が別々にネットに掲載されているなど、少々わかりづらい面があります。

以下、政治団体設立の手続についての流れを記載します。

小規模な団体の設立を想定したものですが、これから政治団体を設立しようという方々の参考になれば幸いです。

 

選管への届出

まず、団体事務所の所在地の都道府県選管へ届出を出します。

具体的に、提出するのは「政治団体の届出」「団体の規約」の2つです。

政治団体の届出は、都道府県の公式サイト内からダウンロードできます。入力あるいは手書きで記入します。

これに団体の規約を添付して選管へ提出します。

以下、政治団体の届出、規約の記載例となります。

 

政治団体の届出(記載例)

 

規約

規約の策定にあたっては、後の郵便口座の開設ができる要件を盛り込んでおく必要があります(もしも漏れがあっても修正は可能ですので神経質になる必要はありません)。

 

規約に盛り込んでおくべき事項

① 団体としての組織を備えていること(役員の選任の規定)
② 多数決の原則が行われていること(役員、予算等について)
③ 構成員の変更にかかわらず団体が存続すること(会員の資格・除名等の定め)
④ 代表の選任方法等
⑤ 総会の運営方法(開催、時期、決議事項等)
⑥ 財産の管理方(収入や会計の承認、報告等)
⑦ 脱退時に自身の持分を団体から払い戻す規定がないこと(あってはいけない)
⑧ 団体の名称の記載
⑨ 団体の所在地(番地まで)
⑪ 団体の目的
⑫ 代表者による記載内容の証明

 

規約(記載例)

小規模な団体を想定したものですが、上記の要件を盛り込んだものとなっています。

 

〇〇会規約

1 (名 称) 本会は、〇〇会と称する。
2 (事 務 所) 本会の主たる事務所は、△△県〇〇市□□1丁目2番地3に置く。
3 (目 的) 本会は、〇〇を目的とする。
4 (事 業) 本会の目的を達成するために、次の事業を行う。
(1) 〇〇〇〇〇〇
(2) △△△△△△
(3) その他本会の目的達成のために必要な事業。
5 (会 員) 本会の目的に賛同し、入会申込書を提出した日本国籍を有する18歳以上
の者をもって会員とする。
(2) 会員はいつでも退会することができる。
(3) 会の規律を乱し、会員たる品位を汚す行為、その他会の運営を阻害する行為を
した者は、戒告、退会勧告、除名その他の処分とする。
6 (総会) 総会は本規約に定める事項のほか、本会の運営に関する事項について決議する。
(2) 総会の決議は出席した会員の過半数を以て行う。
7 (役 員) 本会に次の役員をおく。
会長1名、会計責任者1名、会計職務代行者1名、監事1名。
(2) 会長は会を代表し、会の業務を統括する。
8 (役員の選出及び任期)
(1) 会長ほか役員は総会において選出する。
(2) 役員の任期は2年とする。ただし再任を妨げない。
9 (会 議) (1) 会長は、毎年1回の通常総会その他必要に応じ臨時総会を招集する。
(2) 会長は、必要に応じ役員会を招集する。
10(経 費) 本会の経費は、会費、寄附金、その他の収入をもって充てる。
11(会計年度) 本会の会計年度は、毎年1月1日から12 月31 日までとする。
12(会計監査) 会計責任者は、本会の経理につき年1回監事による監査を受け、その監査意見書を付して総会に報告し、その承認を受ける。
13 (規約の改廃) 本規約の改廃は、総会において決定する。
14 (補 則) 本規約に定めのない事項については、役員会で決定する。
付 則
本規約は、令和〇年〇月〇日より実施する。

令和〇年〇月〇日
上記記載内容につき事実に相違ありません。
△△県〇〇市□□1丁目2番地3
〇〇会会長 甲野太郎 ㊞(個人認印)

 

届出と規約ができたら、届出に個人認印で押印し、コピーを取ります。

最終的に選管へ行く際に持っていくのは、
「政治団体の届出」
「団体の規約」
「代表者の個人認印」
「押印済みの政治団体の届出のコピー」
の計4つとなります。

選管へ届出と規約を提出し、必要があれば訂正を行います。訂正は認印の訂正印で行います。

届出が受け付けられたら、届出のコピーに受付印を押してもらいます。このコピーは郵便口座を開設するためにも使います。

これで選管での手続は終了です。

引き続き郵便口座の開設を行います。

 

郵便口座の開設

やはり郵便口座の開設の方がハードルが高く、複雑です。

必要書類は以下の通りです。

このうち、①⑩⑪は郵便局でもらえます。また、⑨は新規設立の団体の場合は必要ありません。

②の印鑑については代表者の個人の印鑑でも可能ですが、団体名の印鑑を作成した方が無難です。後の創立総会議事録にも押印します。

③の団体の規約は選管に提出したものと同じものを提出します。代表者による証明も記載・押印します。

なお、郵便口座が開設されると、通帳には団体名のほか、「代表者〇〇様」と記載されるので、郵便局での手続では規約上の呼称に関わらず、「代表」と記載するのが無難です。

 

④団体の活動実績がわかる資料

新規設立団体では活動はこれからですから、予定を記載します。

以下、記載例です。

令和〇年 〇〇会 活動予定表

4月
〇〇県選挙管理委員会へ政治団体としての設立届を提出。
当会の目的である〇〇のための活動を開始。インターネット、チラシ等による周知活動を中心に行う。

6月
〇〇に関する街頭演説会を行う。

8月
〇〇市議会議員選挙に関し、□□立候補予定者の支援活動を行う。

10月
△△市で〇〇に関する講演会を行う。

12月
□□市議会議員選挙が2年後に予定されていることから、当該選挙に関する研究会を行う。

〇〇会代表
甲野太郎

 

⑤団体の名簿

設立時の構成員一覧を提出します。様式はありません、以下、記載例です。

 
 

⑧総会議事録

設立総会の議事録です。以下、記載例です。

〇〇会 設立総会議事録

1 開催日時 令和〇年〇月〇日10時00分から11時00分まで
2 場所 △△県〇〇市□□1丁目2番地3 本会事務所
3 出席者数 5名
4 審議事項
第1号議案 〇〇会設立に関する件
第2号議案 規約案承認の件
第3号議案 役員選任に関する件
5 議事の経過の概要及び議決の結果
甲野太郎が議長として選出された。
第1号議案
議長が設立趣旨書を配布し、これに基づいて本日をもって政治団体〇〇会を設立したい旨を諮ったところ、全員意義なくこれを承認した。
第2号議案
議長は別紙のとおりの規約案を配布し、逐条審議したところ、全員異議なくこれを承認した。
第3号議案 役員選任に関する件
議長より設立時の役員として次の者を選出する旨の提案がなされ、審議の結果、全員意義なく承認した。
会長 甲野太郎   会計責任者 乙野次郎
会計責任者の職務代行者 乙野花子 監事 丙山三郎

上記の決議を証するため、この議事録を作成し、議長が議事録署名人として署名する。

令和〇年〇月〇日
〇〇会設立総会
議事録署名人 会長 甲野太郎  印(会印)

 

以上、郵便局でもらう書類に記入し、添付書類を提出すると、郵便局のセンターへ送られ、そこで審査されます。

無事、審査に通ると、3週間~1か月ほどで通帳が届きます。

以上、政治団体設立手続の流れとなります。